食道がん治療の合併症と副作用

  • 手術を受けたら食事はよく噛んで、ゆっくりと、少しずつ。

内視鏡治療を受けた場合

内視鏡によるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)で、食道の全周に近く治療した場合には、治療後に食道の狭窄が起こり、食べた物が通過しにくくなることがあります。その場合には、食道を広げるための治療が行われます。

手術を受けた場合

食道がんの手術を受け、食道を摘出して、胃で再建を行った場合、食べたものをためる胃の機能が失われます。そのため、胃の摘出手術を受けた人と同じように、一度にたくさん食べることができなくなります。食事するときには、よく噛んで、ゆっくりと、少しずつ食べるように心がけることが大切です。食べる内容に関しての制限はなく、好きなものを食べることができます。

放射線療法を受けた場合

頸部に照射した場合には、副作用として、飲食物を飲み込むときの違和感、甲状腺機能低下などの症状が出ることがあります。胸部に照射した場合には肺や心臓への影響、腹部に照射した場合には腸への影響が出ることがあります。

化学療法を受けた場合

抗がん剤はがん細胞だけでなく、正常細胞にも影響を及ぼしてしまうために副作用が現れます。5-FUは「悪心・嘔吐、下痢、食欲不振、白血球減少など」が、シスプラチンは「腎機能障害、白血球減少、貧血、血小板減少、悪心・嘔吐、口内炎など」が、ドセタキセルは「白血球減少、貧血、血小板減少、ショック症状、浮腫など」が主な副作用です。放射線療法を同時併用する化学放射線療法では、治療効果が高くなりますが、副作用も強くなります。

(表) 「食道がんの治療で用いられる化学療法(抗がん剤)の主な副作用」

一般名 商品名 特徴 主な有害事象
フルオロウラシル 5-FUなど 代謝拮抗薬の一種。DNAの合成を阻害して抗腫瘍効果を発揮する 悪心・嘔吐、下痢、食欲低下、白血球減少など。
シスプラチン ランダ、ブリプラチンなど プラチナ(白金)製剤の一種。高い抗腫瘍効果を発揮するが、副作用も強い。 腎機能障害、白血球減少、貧血、血小板減少、悪心・嘔吐、口内炎など。
ドセタキセル タキソテールなど タキサン系抗がん剤の一種。がん細胞の分裂を妨げる働きがある。 白血球減少、貧血、血小板減少、ショック症状、浮腫など。

(監修:順天堂大学医学部附属順天堂医院          
がん治療センターセンター長・特任教授 鶴丸 昌彦先生)

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