食道がんの進行度

  • がんの深達度、リンパ節転移、遠隔臓器転移の3つの要素で進行度を判定する。
  • 粘膜内にとどまるがんは、深達度でさらに3段階に分類される。

がんの深達度、リンパ節転移の有無と範囲、遠隔臓器転移の有無によって、病期(ステージ)が0期~Ⅳ期に分けられます。

がんの深達度に関しては、がんが粘膜内にとどまる場合はT1a、粘膜下層にとどまる場合はT1b、固有筋層にとどまる場合はT2、食道外膜まで広がる場合はT3、食道周囲の組織まで広がる場合はT4とします。リンパ節転移は、リンパ節転移なしがN0、転移がある場合は、リンパ節のどこまで転移しているかによってN1~N4とします。離れた臓器への転移は、ない場合はM0、ある場合はM1とします。

(表) 「食道がんの病期」

N,M因子→
T因子↓
N0 N1 N2 N3 N4 M1
T0,T1a 0 Ⅳa Ⅳb
T1b Ⅳa Ⅳb
T2 Ⅳa Ⅳb
T3 Ⅳa Ⅳb
T4a Ⅳa Ⅳb
T4b Ⅳa Ⅳa Ⅳa Ⅳa Ⅳa Ⅳb

T4a:胸膜、心膜、横隔膜、肺、胸管、奇静脈、神経
T4b:大動脈(大血管)、気管、気管支、肺静脈、肺動脈、椎体
日本食道学会編『臨床・病理 食道癌取扱い規約(第11版)』(金原出版)より一部改変

(表) 「食道がんの進行度分類」

①「T 因子(がんの広がり)」

T1a がんが粘膜内にとどまる
T1b がんが粘膜下層にとどまる
T2 がんが固有筋層にとどまる
T3 がんが食道外膜に広がっている
T4 がんが食道周囲の組織まで広がっている

②「N分類(リンパ節への転移の状態)

N0 リンパ節転移がない
N1 第1群リンパ節のみに転移がある
N2 第2群リンパ節まで転移がある
N3 第3群リンパ節まで転移がある
N4 第3群より遠いリンパ節に転移がある

*リンパ節転移:1〜4群リンパ節をがんのある場所からどのくらい離れているかによって分類しており、近いものから1群、2群、3群、4群と呼ぶ。

③M因子(遠隔臓器転移)

M0 遠隔臓器転移がない
M1 遠隔臓器転移がある

がんが粘膜内にある0期の食道がんは、がんが粘膜上皮にとどまるT1a-EP、粘膜固有層にとどまるT1a-LPM、粘膜筋板に達しているT1a-MMの3つに分類されています。

(図)「食道粘膜がんの進達度分類」

「食道表在がんの進達度分類」

(監修:順天堂大学医学部附属順天堂医院          
がん治療センターセンター長・特任教授 鶴丸 昌彦先生)

食道がん関連ページ

食道がんに関する主な公開記事

がん治療(標準治療)の基礎知識 治療の流れを理解し、より適切な治療を受けるために 第17回 食道がん

鶴丸昌彦先生(順天堂大学医学部附属順天堂医院がん治療センターセンター長・特任教授)が食道がん治療の基礎知識について解説しています。

第52回日本癌治療学会学術集会レポート がん治療の効果を高める「免疫抑制の解除」の最前線

免疫力を高める方法が変わる,世界的に注目を集める話題を取材。最新医薬品開発から患者にやさしい方法まで。

第19回日本補完代替医療学会学術集会レポート 免疫やがん領域に関わるキノコの菌糸体や発酵成分の発表が注目を集める

免疫の状態をよくすることでがんの闘病を支える。補完代替医療の特別講演を取材レポート。