口腔がん(舌がん、歯肉がんなど)とは

  • 口腔がんの中で、最も多いのは舌がんである。
  • 口腔がんは、本人にも見える場所にできるので、発見しやすい。

口腔がんは口の中にできるがんです。最も多いのは舌がんで、その他に歯肉がんなどもあります。これらのがんは、外から加わる刺激が原因となって発症すると言われています。
舌がんが多いのは、口の中では舌が最も刺激を受けやすい部分だからなのでしょう。インド、パキスタン、台湾などでは、檳榔樹(びんろうじゅ)の実を噛む習慣があり、それが口腔がんの重要な原因となっています。

日本では、高齢者だけでなく、幅広い年代に発症しています。特に舌がんは若い人にも見られ、顎が小さい人に目立ちます。これは、顎が小さいために舌が顎に当たりやすく、その刺激が原因になっているのではないかと言われています。

口腔がんは本人にも見える場所にできるので、発見しやすいがんです。早期に気づくことが多いのですが、それが早期発見・早期治療に結びつかないこともあります。たぶん口内炎だろうと考えてしまったり、医療機関を受診しても、がんと診断されないまま、2~3ヵ月たってしまったりすることがあるのです。具体的な症状としては、3週間以上治らない口内炎がある、口の中に「しこり」がある、口や唇にしびれや痛みがある、口臭が強くなるなどがあげられます。口腔がんは比較的進行の早いがんなので、回り道して専門医にたどり着く頃には、かなり進行してしまっていることもあります。

また、口腔がんは、顎の舌にある骨や首のリンパ節に転移しやすく、口腔がんの多くを占める舌がんの場合は、舌には多くのリンパ節があるため、早い段階でリンパ節に転移しやすいという特徴があります。

(図1)口腔がんの位置

口腔がんの位置

口腔・咽頭がんの5年相対生存率(膀胱がんと診断された人で5年後に生存している人の割合を、日本全体で5年後に生存している人の割合で割って求める)は、54.3%となっています。

(図2)がん種別5年生存率

がん種別5年生存率

引用:全国がん罹患モニタリング集計 2003-2005年生存率報告
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

(図3)口唇がん・口腔がん・咽頭がんステージ別生存率

口唇がん・口腔がん・咽頭がんステージ別生存率

引用:全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2015年8月集計)による

(図4)舌がんステージ別生存率

舌がんステージ別生存率

引用:全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査(2015年8月集計)による

(監修:国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院頭頸部内科長 田原 信先生)

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