皮膚がんの治療――有棘(ゆうきょく)細胞がん

  • 原発巣をしっかり切除し、再発予防のリンパ節の切除は行わない

手術では、がんの辺縁(へんえん)※から1~2㎝離して切除します。リンパ液の流れに乗って起こる転移が少ないがんなので、再発を予防する目的でリンパ節郭清(かくせい)※を行うことはありません。画像検査の結果、リンパ節が明らかに腫れているような場合にのみ、リンパ節郭清が行われます。有棘(ゆうきょく)細胞がんは、治療せずに放置すると巨大な腫瘍になることがあり、そのような場合には、体の一部を切断しなければならないこともあります。

※辺縁:その周りにある部分。
※リンパ節郭清:がんの周辺にあるリンパ節を切除すること

転移があり根治的な手術ができない場合や、手術後の再発予防に、化学療法や放射線療法が行われます。有棘細胞がんは扁平上皮がんなので、他の扁平上皮がんと同じような化学療法が行われます。よく使われるのは、ペプレオマイシンとマイトマイシンを併用するPM療法です。その他、シスプラチンとドキソルビシンを併用するCA療法が行われることもあります。放射線療法も併用しますが、表面がカサカサする角化が強いタイプ(悪性度の低いタイプ)の有棘細胞がんにはあまり有効ではありません。よく効くのは角化が弱いタイプです。

※扁平上皮がん:体の表面や食道などの内部が空洞になっている臓器の内側の粘膜組織から発生するがん。

(表) 「有棘(ゆうきょく)細胞がんの治療で用いられる主な薬剤」

がんの種類 治療目的 薬剤名(一般名) 薬の種類
有棘(ゆうきょく)細胞がん 転移がある場合の治療、手術後の再発予防 ペプレオマイシン 抗がん剤
マイトマイシン
シスプラチン
ドキソルビシン

(監修:木沢記念病院皮膚科          
皮膚がんセンター部長 神谷秀喜 先生)

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