腎臓がんとは

  • 腎臓がんには、進行の遅いものから速いものまで、幅広い性質のがんが含まれる。
  • 早期には自覚症状がないため、症状から腎臓がんを早期発見することはできない。
  • 他の病期の精密検査などで腎臓がんが偶然見つかることが増えている。

腎臓は腹部の後ろ側に位置する左右一対の臓器で、主に血液から老廃物を濾過(ろか)して尿を作る働きをしています。その他、ホルモンを分泌して血圧や尿量を調節したり、ビタミンDを活性化したりする役割を担っています。

一般に「腎臓がん」という場合には、腎細胞がんのことを指します。腎細胞がんは、尿を生成する機構の一部である近位尿細管の細胞が、がん化した病気です。

図:腎臓がん

がん研究振興財団がまとめた『がんの統計’14』によれば、「腎・尿路(膀胱を除く)がん」の5年相対生存率(腎・尿路(膀胱を除くがんと診断された人で5年後に生存している人の割合が、日本全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを表す)は、65.7%となっています。

他のがんの5年相対生存率と比較してみると、胃がんの63.3%や直腸がんの67.5%と近く、治りにくいとされる肺がんの29.8%、肝臓がんの27.9%などに比べると、高い割合になっています。ただし、腎臓がんの中には、進行が比較的遅いおとなしいものから、進行が速く転移しやすい悪性度の高いものまで、かなり性質の異なるがんが含まれています。それが腎臓がんの特徴でもあります。

図:がん種別5年相対生存率

(引用:全国がん罹患モニタリング集計 2003-2005年生存率報告
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書)

腎臓がんは早期の段階では、自覚症状が現れることはほとんどありません。そのため、症状から腎臓がんを早期に発見することはできません。しかし、最近は早期に見つかる腎臓がんが増えています。CTやMRIなどの画像検査が進歩したことや、健康診断を受ける機会が増えたことで、他の病気の精密検査などを行ったときに、腎臓がんが小さなうちに、偶然見るかることが増えているのです。また、がんの進行や転移に伴って、貧血、倦怠感、発熱、食欲不振などの症状や、肺転移、骨転移による骨折、脳転移に伴うけいれんなどの症状が現れ、腎臓がんが発見されることもあります。

(監修:国立がん研究センター中央病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科外来医長 込山元清先生)

腎臓がん関連ページ

腎臓がんやがん全般に関する主な公開記事

がん治療(標準治療)の基礎知識 治療の流れを理解し、より適切な治療を受けるために 第8回 腎臓がん

込山元清先生(国立がん研究センター中央病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科外来医長)が腎臓がん治療の基礎知識について解説しています。

第52回日本癌治療学会学術集会レポート がん治療の効果を高める「免疫抑制の解除」の最前線

免疫力を高める方法が変わる,世界的に注目を集める話題を取材。最新医薬品開発から患者にやさしい方法まで。

第19回日本補完代替医療学会学術集会レポート 免疫やがん領域に関わるキノコの菌糸体や発酵成分の発表が注目を集める

免疫の状態をよくすることでがんの闘病を支える。補完代替医療の特別講演を取材レポート。

腎臓がん一覧