(がんの先進医療: 2023年1月発売 48号 掲載記事)

宮西ナオ子のがんの生存率・再発率に関連する食事・栄養や、
サプリメント成分の研究比較 第6回 膀胱がん

 本シリーズでは、がん種ごとに特化した食事や栄養の情報に関して研究成果をもつ「食品やサプリメント成分」の情報をお伝えしています。「コホート研究」や「ヒト臨床試験の研究論文」などを調査し、なるべく客観的な視点でわかりやすくご紹介しています。特定の論文だけで判断せず、複数の論文で評価するように試みています。
 今回は、膀胱がんに特化して、発がんリスクや再発リスク・生存率などの研究成果が出ている食事や、サプリメント成分の情報をご紹介します。日本人での膀胱がん罹患率はすべてのがんの中で男性は12 位、女性は20 位というわけで、全体的にみて非常に多いというがんではありません。また好発年齢は60 ~ 70 歳代で、高齢者に多く発症するがんであるといわれています。

膀胱と膀胱がん

 膀胱は骨盤の中にある袋状の臓器です。男性は恥骨と直腸の間に、女性は恥骨と子宮、腟の間にあります。膀胱の働きは、尿を一時的にため、ある程度の量になったら体の外に出すことです。
 腎臓では血液中の水分や不要物、老廃物から尿をつくりますが、つくられた尿は腎じんぱい杯、腎じ ん盂う、尿管を通って膀胱にたまり、その刺激が脳に伝わり、尿意を催します。すると膀胱の筋肉が収縮し、尿道を締める筋肉が緩み、尿は尿道を通って体外に排泄されます。
 この尿の通り道を尿路といいますが、内側は、ほとんどが尿路上皮という粘膜でおおわれています。膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称ですが、膀胱がんの大部分(90%以上)は膀胱の内部をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんといわれます。
 尿路上皮がんは、がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるか(深達度)によって、「筋層非浸潤性がん」と「筋層浸潤性がん」に分類されます。

膀胱がんの主な症状

 膀胱がんの主な症状には、血尿や頻尿、排尿時の痛み、残尿感、切迫した尿意などがあります。血尿は、尿の色が赤や茶色になることで目でみてわかります。一方、顕微鏡で確認する血尿もあります。膀胱がんに特徴的なものとして、痛みなどほかの症状を伴わない血尿もあります。
 膀胱がんと似たような症状がみられる疾患としては、膀胱炎、尿路結石、前立腺肥大症、前立腺がんなどがありますので、異常を感じたら、早めに診察を受けることです。
 放置していると進行してしまうこともあり、がんが進行すると、尿が出にくくなったり、わき腹や腰、背中が痛んだり、足がむくんだりすることもあります。
 また膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに転移することがあります。

論文による膀胱がんの発がんリスク

 調査をしたのは多目的コホート研究(JPHC研究)からで、国立がん研究センター予防研究グループHPで公開したものです。全国11カ所の保健所と国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、各大学、研究機関、医療機関などと共同研究しています。
約10万人から生活習慣に関する情報を集め、長期にわたって生活習慣が疾病の発症に関連しているのかどうかを調査しています。
 平成21年度までは厚生労働省がん研究助成金による指定研究班として実施されていましたが、平成22年度以降は独立行政法人国立がん研究センターによって実施されています。
 今回、この研究をリサーチしたところ、膀胱がんのリスクが高まる食べ物2件とリスクと関連がなかった食べ物1件の論文が抽出されました(表1・表2)。

研究素材/テーマ 研究内容 結果
甘味飲料 がんの既往のない73,024名を対象に、平均15.8年の追跡期間中に、169人が腎がんに、297人が膀胱がんに罹患しました。調査開始時に行ったアンケート調査の回答から、甘味飲料の摂取量を算出し、男女別に甘味飲料を「摂取しないグループ」、「摂取量が少ないグループ」、「多いグループ」に分け、甘味飲料摂取と腎がんおよび膀胱がんの罹患リスクとの関連について調べました。 がん診断前の何らかの体調不良や疾患のために、甘味飲料の摂取量が減った人の影響などを除くため、調査開始後3年間のうちにがんに罹患した方を除いて検討した結果、甘味飲料摂取量が1日あたり100㎖増加すると、女性における腎がんの罹患リスクは1.11 倍、膀胱がんの罹患リスクも同様に1.11倍増加する関連がみられました。
コーヒー、カフェイン 40~69歳の男女約10万人の方々を対象に、平均12.6年の追跡期間中に、男性164人と女性42人が新たに膀胱がんと診断されました。喫煙と膀胱がんとの関連、コーヒー、緑茶、その中に含まれているカフェイン摂取量と膀胱がんとの関連を調べました。 非喫煙者(たばこをやめた人を含む)で、コーヒーを1日1杯以上飲むグループではほとんど飲まないグループの2.2倍、カフェインの摂取量で3つのグループに分けた場合に最も多いグループでは最も少ないグループの約2倍、膀胱がんリスクが高くなっていました。緑茶については関連がありませんでした。

表1 膀胱がんのリスクが高まる食べ物

膀胱がんの発がんリスクが高まる食べ物

 「膀胱がんのリスクが高まる食べ物」について調べたところ、甘味飲料とコーヒー、カフェインの2件が報告されています。甘味飲料の摂取量では、女性の膀胱がん罹患リスクとの相関がみられました。また非喫煙者(たばこをやめた人を含む)のコーヒー、カフェインの大量摂取で、膀胱がんの罹患リスクが高まることが研究で明らかになっています。
 「甘味飲料」については、がんの既往のない7万3024名を対象にしたところ、平均15.8年の追跡期間中に169人が腎がんに、297人が膀胱がんに罹患しました。手法は調査開始時に行ったアンケート調査の回答から、甘味飲料の摂取量を算出。男女別に甘味飲料を「摂取しないグループ」「摂取量が少ないグループ」「多いグループ」に分け、甘味飲料摂取と腎がんおよび膀胱がんの罹患リスクとの関連について調べています。調査開始後3年の間、がんに罹患した方を除いて検討した結果、甘味飲料摂取量を1日あたり100㎖増加すると、女性の腎がんの罹患リスクは1.11倍、膀胱がんの罹患リスクも同様に1.11倍増加するという関連性がみられました。
 「コーヒー、カフェイン」については、40~69歳の男女約10万人の方々を対象に、平均12・6年の追跡期間中に、男性164人と女性42人が新たに膀胱がんと診断されました。コーヒーを1日1杯以上飲むグループは、ほとんど飲まないグループの2・2倍、カフェインの摂取量で3つのグループに分けた場合に最も多いグループで最も少ないグループの約2倍、膀胱がんリスクが高くなっていました。緑茶については関連がありませんでした。

研究素材/テーマ 研究内容 結果
野菜・果物 がんの既往がなかった45~74歳の男女80,952人を対象に、平均17.1年間の追跡期間中に、男性約3.7万人、女性約4.4 人のうち、それぞれ307人および94人が膀胱がんと診断されました。138食品が含まれる食物摂取頻度調査票をもとに、果物・野菜や、それらに含まれる抗酸化ビタミンの摂取量とその後の膀胱がんの罹患との関連を調べました。 男性および女性のいずれにおいても、全野菜・果物、全野菜、全果物、緑黄色野菜、アブラナ科野菜、緑葉野菜、柑橘類の摂取量と膀胱がんの罹患とは統計学的有意な関連はみられませんでした。また、抗酸化ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)の摂取量についても、膀胱がん罹患リスクとの統計学的有意な関連はみられませんでした。

表2 膀胱がんのリスクと関連がなかった食べ物

膀胱がんの発がんリスクを下げる食べ物

 膀胱がんの発がんリスクを下げる食べ物として報告されている研究論文はありませんでした。一般的に野菜や果物は抗がん作用が期待される抗酸化ビタミンを豊富に含むために、いくつかのがんに対する予防的効果を持つ可能性が期待されていますが、膀胱がんの発がんリスクとは関連性はないということでした。
 「野菜、果物」については、がんの既往がなかった45~74歳の男女8万952人を対象に、平均17.1年間の追跡期間中に、男性約3・7万人、女性約4.4万人のうち、それぞれ307人および94人が膀胱がんと診断されました。
 また138食品が含まれる食物摂取頻度調査票をもとにして、果物・野菜、およびそれらに含まれる抗酸化ビタミンの摂取量とその後の膀胱がんの罹患との関連を調べました。結果は男性および女性のいずれも、全野菜・全果物(緑黄色野菜、アブラナ科野菜、緑葉野菜、柑橘類など)の摂取量と膀胱がんの罹患とは統計学的に有意な関連はみられませんでした。また抗酸化ビタミン(ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE)の摂取量についても、膀胱がん罹患リスクとの統計学的有意な関連はみられませんでした。

膀胱がん患者を対象とした食べ物・食事

 『がん生存者のための栄養と運動のガイドライン(第4版)』(米国対がん協会が公表したガイドラインの書籍)には、膀胱がん患者を対象とした生存率、再発率、死亡率に関する食べ物についての論文情報の掲載はありませんでした。
 そこで、多目的コホート研究の該当食品を対象に追加調査を実施した結果、2012年以降、PubMed に掲載された論文を探してみると、膀胱がん患者を対象とした生存率、再発率、死亡率に影響を及ぼす食べ物に関する論文は、3件でした(表3)。

研究素材/テーマ タイトル 研究内容 結果 掲載誌/
掲載年/国
砂糖入り飲料、ナトリウム、果物 集団ベースの膀胱がん研究における食事の質と生存率 食事の質と全生存率および膀胱がん特異的生存率※1 との関連性を検討した。
生存状況はNational Death Index ※2 から確認し、食事の質はAHEI-2010(代替健康食指数)※3 を用いて評価した。
全体的なAHEI-2010(代替健康食指数)のアドヒアランス(遵守)は、全体または膀胱がん特異的生存率と関連していなかった。
そのうち、砂糖入り飲料のアドヒアランスは全生存率の低下と、ナトリウムは筋層非浸潤性膀胱がん診断後の全体および膀胱がん特異的生存率の向上と、果物は筋層浸潤性膀胱がん診断後の全生存率および膀胱がん特異的生存率の低下と関連していた。
Nutr. Cancer 誌 2021 年 アメリカ
西洋式食事 非筋層浸潤性膀胱がんの食事パターンと再発・進行リスク 非筋肉浸潤性膀胱がん患者595人を対象に、「果物および野菜」、「西洋式食事」、「低脂肪」、「米国風メキシコ料理」の4つの食事パターンに分類し、各パターンについて順守率順に3等分し、再発および進行のリスクと関連するかを調査した。 「西洋式食事※4」の食事パターンの順守率が最も高い三分位※5 グループは、最も低い三分位※6グループに比べ、再発リスクが1.48倍高かった。また西洋式食事と進行のリスク、および他の食事パターンと再発および進行のリスクとの間に、統計的に有意な関連はみられなかった。 Int. J. Cancer 誌 2017年アメリカ
果物、野菜 筋層非浸潤性膀胱がん患者における果物と野菜の摂取と再発リスク:前向きコホート研究 非筋層浸潤性膀胱がん患者728人を対象に、診断時(診断前1年間)と診断後1年後の果物と野菜の摂取量と再発性膀胱がんの再発リスクとの関連性について調査した。 果物と野菜の摂取が膀胱がんの再発予防の役割を果たすことは示されなかった。 Cancer Causes Control誌
2018 年イギリス

表3 膀胱がん患者を対象とした食べ物・食事
※ 1 膀胱がん特異的生存率:膀胱がんによって死亡していない人々の割合
※ 2 National Death Index:米国の「国民死亡指標」
※ 3 AHEI-2010(2010 Alternate Healthy Eating Index):全粒穀物、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、ナッツ、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が高く、赤身/ 加工肉、精製粉、甘味料入飲料の摂取量が低い食事を反映した健康食指数
※ 4 西洋式食事:※揚げ物(フライドポテト、魚のフライなど)、赤身肉、加工肉(ハム、ベーコンなど)を多く摂取する食事
※ 5 最も高い三分位:上位1/3
※ 6 最も低い三分位:下位1/3
膀胱がんを対象とした食事に関するPubmed 収載論文の検索条件(2012 年以降):bladder cancer /patients or diagnosis /死亡率or 生存率or再発/該当の食べ物

膀胱がん患者に良い食べ物/悪い食べ物

 膀胱がんの生存リスクが高まる食べ物として、ナトリウムの摂取があげられていました。研究論文「集団ベースの膀胱がん研究における食事の質と生存率」の中で報告されています。
 ナトリウムの摂取と筋層非浸潤性膀胱がん診断後の膀胱がん特異的生存率が相関していたという内容が報告されています。
一方、膀胱がんの生存リスクが下がる食べ物として、上記の研究論文の中で、砂糖入り飲料と果物の摂取があげられており、砂糖入り飲料の摂取と生存率が逆相関しています。また果物の摂取と筋層浸潤性膀胱がん診断後の全生存率、膀胱がん特異的生存率も逆相関していることがわかりました。
 「砂糖入り飲料、ナトリウム、果物」については、Nutr.Cancer 誌( 2021年アメリカ)に論文がありました。「集団ベースの膀胱がん研究における食事の質と生存率」というタイトルです。研究内容は、食事の質と全生存率および膀胱がん特異的生存率との関連性を検討したものです。生存状況はNational Death Index( 国民死亡指標)から確認し、食事の質はAHEI – 2010(代替健康食指数)を用いて評価しています。結果は、全体的なAHEI – 2010のアドヒアランス(遵守)は、膀胱がんの特異的生存率と関連していませんでした。砂糖入り飲料のアドヒアランスは全生存率より低下。ナトリウムは筋層浸潤性膀胱診断後の全体および膀胱がん特異的生存率を向上。果物は筋層浸潤性膀胱がん診断後の全生存率および膀胱がん特異的生存率の低下と関連しています。

膀胱がんの再発リスクが高まる/下げる食べ物

 「膀胱がんの再発リスクが高まる食べ物」については、研究論文が1件報告されています。西洋式の食事パターン(揚げ物:フライドポテト、魚のフライなど)、赤身肉、加工肉を多く摂取する食事)の遵守率の高さと、非筋肉浸潤性膀胱がんの再発リスクの高さが関連していることが認められました。
 一方、「膀胱がんの再発リスクを下げる食べ物」については、非筋層浸潤性膀胱がん患者 728人を対象とした「野菜・果物の摂取と再発リスクに関する」研究論文が1件報告されていますが、発がんリスクの報告と同様に果物と野菜の摂取が膀胱がんの再発予防の役割を果たすことは示されなかったという報告です。
「西洋式食事」については、Int.J.Cancer 誌(2017年アメリカ)の論文「非筋肉浸潤性膀胱がんの食事パターンと再発・進行リスク」で発表されています。これは非筋肉浸潤性膀胱がん患者さん595人を対象に、「果物および野菜」「西洋式食事」「低脂肪」「米国風メキシコ料理」の4つの食事パターンに分類し、各々順守率順に3等分し、再発および進行のリスクと関連するかを調査しました。
 結果「西洋式食事」(フライドポテト、魚のフライなどの揚げ物、赤身肉、ハム、べーコンなどの加工肉を多く摂取する)の食事パターンの遵守率が最も高い上位1/3グループは、最も低い下位1/3 グループに比べ再発リスクが1.48倍高かったことがわかりました。また「西洋式食事とその進行のリスク」および「他の食事パターンと再発および進行のリスク」との間に、統計的に有意な関連はみられませんでした。
 「果物・野菜」については、Cancer Causes Control 誌(2018年イギリス)の「筋層非浸潤性膀胱がん患者における果物と野菜の摂取と再発リスク:前向きコホート研究」で報告されています。非筋層浸潤性膀胱がん患者さん728人を対象に、診断時(診断前1年間)と診断1年後の果物と野菜の摂取量と再発性膀胱がんの再発リスクとの関連性について調査しています。結果は果物と野菜の摂取が膀胱がんの再発予防の役割を果たすことは示されませんでした。

膀胱がん患者を対象としたサプリメント成分

 補完代替医療の利用実態調査(2005年)によると、がんの医療現場で44.6%のがん患者さんがいずれかの補完代替医療を用いており、そのうちの96.2%が健康食品やサプリメントを利用していると回答しています。
膀胱がん患者を対象としたサプリメント成分に関する研究成果については、国際研究データベースPubMedや、研究情報のみを掲載しているサイト(製品販売を含むサイトは除く)をもとに、2005年以降で調査した結果、国際学会の発表が1件ありました(表4)

研究素材
/テーマ
タイトル 研究内容 結果 掲載誌/ 掲載年/ 国
シイタケ菌糸体 IFN– γ /IL–10 産生量の比率は有用な予後指標であり、悪性疾患患者においてキノコ抽出物により改善されることが確認された。 がん治療後、経過観察者13 名(膀胱がん、子宮がん、胃がん、卵巣がん、前立腺がん)を対象に、シイタケ菌糸体を20 週間摂取した。 シイタケ菌糸体を摂取し、Th1/Th2 細胞バランスを調べたところ、がんの免疫抑制を軽減して、摂取前に落ちていた免疫力が健常者レベルまで回復した。 米国癌学会(AACR)
2009 年日本

表4 膀胱がん患者を対象としたサプリメント成分
膀胱がんを対象としたサプリメント成分に関するPubmed 収載論文の検索条件
agaricus blazei or lentinula edodes mycelia or Inonotusobliquus or Ganoderma lucidum or Phellinus linteus or Sparassis crispa or fucoidan or propolis / patient cancer
うち「膀胱がん」が含まれる論文を抽出(2005 年以降)

 シイタケ菌糸体の摂取が、摂取前に落ちていた免疫力を健常者レベルまで回復させたことが報告されています。
『米国癌学会(AACR)2009年)』にシイタケ菌糸体を研究素材とした発表がありました。タイトルは、「IFN – γ/IL–10産生量の比率は有用な予後指標であり、悪性疾患患者においてキノコ抽出物により改善されることが確認された」というものです。
 研究内容はがん治療後経過観察者13名(膀胱がん、子宮がん、胃がん、卵巣がん、前立腺がん)を対象にし、シイタケ菌糸体を20週間摂取してもらいました。結果は、シイタケ菌糸体を摂取し、Th1/Th2細胞バランスを調べたところ、がんの免疫抑制を軽減して、摂取前に落ちていた免疫力が健常者レベルまで回復したというものでした。

総評

 今回は、「膀胱がんの発がんリスクが高まる食べ物」として、甘味飲料とコーヒー、カフェインの大量摂取があげられていました。
 特に甘味飲料は女性における膀胱がんの罹患リスクが高まるということですので、気を付けたいと感じました。
また「膀胱がんの発がんリスクと関連性がなかった食べ物」として、全野菜や全果物、ビタミン類などがあげられていました。これらは必ず何らかの効果があるものと思っていたのですが、統計学的には有意な関連がなかったというのも驚きでした。
 とはいえ、これらの食品を摂取することは健康にもよいと思いますので、日常の食生活では取り入れていきたいものです。一方、「西洋式の食事」は膀胱がんの再発リスクが高まるとされており、サプリメント成分ではシイタケ菌糸体の免疫力が回復したということは、ほかのがんの調査研究時にも注目されていたので、これらの調査結果に基づき、日常の食生活で参考にしていきたいと思いました。

宮西ナオ子(みやにし・なおこ) 上智大学ポルトガル語学科卒業。生き方研究家・ライター・エッセイスト・女性能楽研究家・博士(総合社会文化)。著書に『朝2時間早く起きれば人生が変わる』『眠る前の7分間』『一週一菜の奇跡』『和ごころのある暮らし』など多数。2014年「東久邇宮文化褒賞」受賞。

宮西ナオ子(みやにし・なおこ)
上智大学ポルトガル語学科卒業。生き方研究家・ライター・エッセイスト・女性能楽研究家・博士(総合社会文化)。著書に『朝2時間早く起きれば人生が変わる』『眠る前の7分間』『一週一菜の奇跡』『和ごころのある暮らし』など多数。2014年「東久邇宮文化褒賞」受賞。

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